政府指定のカルト教団「血水聖霊」、中国で信徒30万人に拡大―中国メディア

2015年9月7日、中国青年網によると、中国政府が危険なカルト教団の1つに指定している台湾の宗教団体「血水聖霊」が中国で着実に勢力を拡大している。

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昨年5月に山東省招遠市で宗教団体「全能神」の勧誘を断った女性が信者たちに殺害される事件が発生して以来、中国政府は「全能神」「血水聖霊」など七つの宗教団体を邪教集団に認定した。信徒たちから「お父さま」と呼ばれている「血水聖霊」の教祖は、中国江西省出身の台湾人・左坤(ズオ・クン)。今年86歳の左坤は信徒100万人を目指し、世界各国で積極的な布教活動を行っている。

「血水聖霊」の総本部は台湾にあり、特区、区、小区、教会の4段階に分かれた下部組織から成り立っている。世界で10の特区があるが、中国江西省の特区には2014年初旬の時点で613の教会を有していた。左坤は中国全土に教会1万カ所の設立を目標に掲げているが、昨年末に「中国で教会7000カ所、信徒30万人に達した」と発表している。

中国の警察当局の発表によると、山東省の特区にある三つの小区では昨年7月から同12月までの間に、教会65カ所、信徒2000人以上を獲得した。「最後の審判は近い。神を信じる者だけが救われる」という教団の教えを信じた人々は、家族や親戚、友人との交流を完全に絶ち、教団のためだけに働く。教祖の左坤は台湾当局の圧力を避けるため米国に移住したが、30万元(約600万円)以上するバイクを3台所有、20万元(約400万円)以上する時計や10万元(約200万円)以上もする装飾品を身に着けている。移動はすべて高級車で、米国内の移動はプライベートジェットとリムジンだ。

「血水聖霊」はここ2~3年で飛躍的に拡大しており、アジア、欧州、北米、南米、アフリカなどの22カ国に同教団の信徒がいるという。