川島なお美さん、女優魂みせた「失楽園」秘話 前張りなしでベッドシーンも
24日に54歳の若さで胆管がんのため亡くなった女優の川島なお美さん。女子大生タレントのイメージが強かった川島さんが「大人の女優」として認められるようになったのは、1997年に日本テレビ系で放送されたドラマ「失楽園」での熱い艶技がきっかけだ。原作者の作家、渡辺淳一さん(昨年4月死去)の作品への出演を熱望していたとされ、自らチャンスをものにしていった女優魂が浮かび上がってくる。
昨年7月に都内で営まれた渡辺さんの「お別れの会」に、「失楽園」で着た思い出の着物で出席した川島さん。人気作家と女優の出会いは、20年以上前に遡(さかのぼ)るという。
「川島さんと渡辺さんが出会ったのは、銀座の高級クラブ。映画関係者と来店した川島さんは別の席にいた渡辺さんに勇気を出して、自ら電話番号を書いた紙を手渡したようです。当時は渡辺さんはそっけなく、紙をなくしてしまった」(出版関係者)
それでも川島さんはあきらめなかった。93年にヘアヌード写真集「WOMAN」を発売すると、写真集を渡辺さんの元に送り届け、女優としての自分を売り込んだというのだ。
渡辺さんは95年から翌96年にかけて日経新聞で「失楽園」を連載。その頃には、月刊誌で2人の北海道旅行が報じられるなど、男女の関係が噂されるようにもなった。
「カメラマンがホテルの前に待機していると知り、湖畔沿いのホテルの反対側に回って、ボートに乗って湖を渡り“脱走”したこともあった」(芸能関係者)
渡辺文学のファンで出演を熱望していたという川島さん。「失楽園」の映画では女優の黒木瞳が主演したが、テレビドラマ化の話が出ると、念願のヒロイン役を射止めた。
ドラマでは「子宮が呼吸できない気がする」と前張りなしでベッドシーンに臨むなど、体当たりの演技を披露。円熟した演技力が認められ、98年のドラマ版「くれなゐ」、2000年の映画「メトレス・愛人」と、渡辺作品のヒロインを次々と演じ、女優としての地位を確立していった。
渡辺さんのお別れ会の際は、「先生は平成の光源氏だったから たくさんの女性を泣かし幸せにした」とブログにつづった川島さん。妖艶(ようえん)でチャーミング、すべてをさらけ出す女優魂は、ベストセラーを連発する人気作家からも愛された。