子供へ声かけ ついに挨拶もNGに

東京の赤羽警察署が、公園で遊んでいた児童に「さようなら」と声をかけた40代の男を不審者情報としてホームページに掲載し、驚きの声が寄せられている。

全国の警察は、子どもを犯罪から守る防犯パトロールなどに活用するため、「声かけ」「つきまとい」「公然わいせつ」「ひったくり」といった、地域で発生した不審者情報を登録者にメールで配信しており、あわせてホームページにも掲載している。しかしそれらのなかには、

「帰宅中の女子児童らが、青色トラックから降りてきた男から『あのー』と声をかけられる」(2010年6月 長崎県警)
「女子学生の後ろを、男が同じ方向に歩いていた」(2012年12月 小倉北警察)
「児童が遊んでいたところ、男に声をかけられました。声かけ等の内容・そんなことじゃ、日本代表になれないぞ」(2013年6月 野方警察署)

など、不審者なのかどうかが疑わしい内容のものが含まれているのも事実。それらはしばしばネットで話題となってきたが、3月12日に登場したのが以下の「声かけ」だ。

「3月11日(水)、午後3時50分ころ、北区神谷2丁目の公園内で、児童が遊んでいたところ、男に声をかけられました。
声かけ等の内容
・さようなら
不審者の特徴:40歳代、160cm 位、やせ型、短髪茶色、茶色っぽいジャンパー、黒色っぽいズボン、マスク、徒歩」

この「声かけ事案」は、ツイッターでも話題となり、

「これはええやろww」
「とうとう日本の男性はあいさつさ出来なくなったんだな…」(原文ママ)
「都内では挨拶しただけで不審者になるのか?」
「一体、日本はどうなっていくのかな?」

という声が登場。さらには

「子供が倒れていたとしても保身の為に無視せざるを得ないような時代がくるよ」
「女性と子供は死に掛けてて助けを求められても、放置しないと不審者」

と、先々を憂う意見まで寄せられた。

“事件”が発生した東京都北区は、地域環境浄化活動の一環として、「青少年健全育成のための地域環境づくり推進活動(あいさつ運動)」を行っており、内閣府が唱える「子ども・若者育成支援強調月間」である11月には、「あいさつ運動」と銘打って毎年さまざまなキャンペーンを実施しているという。

今回提供された情報だけでは、「さようなら」がどのようなシチュエーションで発せられたのかを知る由もないが、子どもへのあいさつが不審者情報に掲載されたことは、多くのネットユーザーにとって驚き以外の何ものでもなかったようだ。